北米産丸太の上昇一服 対日価格3月積み
2018/3/6 19:41日本経済新聞 電子版
住宅の梁(はり)などに使う北米産丸太の3月積み日本向け価格の交渉が前月と同水準で決着した。伐採期に入った米国は西海岸を中心に原木の集荷が順調。丸太の品薄感が和らぎ2カ月連続で据え置きとなった。
米松のIS級(直径30センチ以上)の価格は千スクリブナー(約5.4立方メートル)当たり1040ドル(FAS=船側渡し)。屋根を支える部材に使う米松小径木(SLC級、直径20~28センチ)も同1030ドルだった。
日本向けは米国向けの丸太に比べ品位が高い製品を出荷することが一般的だ。北米産丸太は住宅向けの需要が旺盛で昨年夏以降値上がりが続き、半年で2割高くなった。
ワシントン州など米西海岸は高値もあり伐採が増えた。原木の集荷が順調に進み、船積み遅れが解消した。供給側は「欧州産の集成材との競合を考えると、これ以上の価格上昇は日本での客離れを招きかねない」(米林業大手)と判断。価格の据え置きを提示し、日本の製材会社も受け入れた。
米松丸太の商社売値は1農林石(約0.28立方メートル)当たり8300~8400円(本船渡し)と前月比100円(1%)上昇した。運賃上昇を反映した。