北米産丸太、2月積み対日価格は横ばい
2018/2/7 20:11日本経済新聞 電子版
住宅の梁(はり)などに使う北米産丸太の2018年2月積み対日輸出価格の交渉が前月と同価格で決着した。米国の旺盛な需要を背景に輸出価格の上昇が続き、製材大手など日本側は顧客離れを懸念。米林業大手も据え置きを受け入れた。
米松のIS級(直径30センチ以上)は千スクリブナー(約5.4立方メートル)当たり1040ドル(FAS=船側渡し)。7カ月ぶりに上昇が止まった。屋根を支える部材に使う米松小径木(SLC級、直径20~28センチ)も同1030ドルで横ばいとなった。
米国は人口増に伴う住宅向けやハリケーン被害からの復興需要が伸びる。北米産丸太は1月積みまで6カ月連続で値上がりし、この間の上昇率は2割に達する。米材製材最大手の中国木材(広島県呉市)の堀川智子社長は「一段の高値となれば競合する欧州産集成材に市場を奪われかねないとの危機感を共有した」と話す。
米林業大手ウェアーハウザーによる自社保有の森林の原木集荷が安定しつつあることも、日本向け価格の上昇に歯止めをかけた。
ただ、米国では住宅着工やリフォーム需要は堅調で、製材大手の丸太購入意欲は強い。カナダ産の出材は必ずしも順調ではなく「対日価格はもう一段値上がりしてもおかしくない環境だ」(大手商社)との声もある。