中国で構造材利用可能に 国産のスギなど 高付加価値品の供給カギ

2018/1/23付日本経済新聞 朝刊

中国で8月から日本のスギなどが住宅の柱や梁(はり)といった構造材として使えるようになる。中国の建築法規が改正され、日本の一般的な住宅の建て方である「木造軸組工法」も認められた。人口と富裕層が増える中国で木造住宅の需要を取り込める可能性が高まり、国産材輸出が一段と伸びそうだ。

輸出増には現地での需要開拓も不可欠(広東省東莞市のモデルルーム建築の様子)

輸出増には現地での需要開拓も不可欠(広東省東莞市のモデルルーム建築の様子)

使用が認められるのはスギ、ヒノキ、カラ松の3種類。日本木材輸出振興協会(東京・文京)が2010年以降中国の住宅都市農村建設省に働きかけを続けてきた。

同協会は17年7月に広東省東莞市にモデルハウスを建てた。17年12月には台湾の台北市に構造材や内装材のショールームを設けるなど、アジアで戸建て住宅やマンション内装などで日本産の木材を使うようPRする取り組みを続けている。

日本合板工業組合連合会(東京・千代田)の井上篤博会長(セイホク社長)は「丸太での輸出ではなく合板など素材での利用が一番大事だ」と説く。今後、海外市場にあった状態に加工した付加価値の高い製品を供給できるかが輸出額拡大のカギとなりそうだ。