マレーシア木材値上がり 対日の合板は3カ月連続上昇

017/7/15付
日本経済新聞 朝刊

 合板や丸太などマレーシア産木材が値上がりしている。コンクリートの型枠用合板の対日輸出価格は3カ月連続で上昇。主産地のサラワク州政府が環境保護を理由に伐採税を引き上げたため、増税分を転嫁した。環境規制の強化で丸太の伐採量も減っており、住宅の内装材などに使う原木丸太の対日価格も上昇した。

指標となる同国サラワク州の型枠用合板の8月積み対日価格は7月成約価格に比べ20ドル前後(約4%)高い1立方メートル510~520ドル(C&F=運賃込み)で決まった。上昇は3カ月連続。上げ幅は3カ月で約60ドル(約12%)に達した。

サラワク州産丸太(メランティ・レギュラー)の7月積み価格も6月成約価格に比べ10ドル(3.2%)高い1立方メートル310ドル前後(FOB=本船渡し)で決まった。

増税で原木伐採業者の採算は悪化している。配送コストの負担が大きい奥地は伐採権を更新しない業者が出るなど原木不足が深刻になっている。インドやベトナムが調達を増やしていることも対日価格を押し上げている。