マレーシア産合板値上げ 対日価格、7月積み6%高提示

マレーシア産合板値上げ 対日価格、7月積み6%高提示

2017/6/22 22:21
日本経済新聞 電子版

 マレーシアの南洋材合板メーカーはこのほど、7月積みの日本向け輸出価格を前月に比べ6%引き上げる方針を日本の商社に提示した。同国の木材主産地、サラワク州は7月から森林保護を理由に伐採税を引き上げる。値上げはこの増税分の転嫁が目的で、国内価格の押し上げ要因となる。

指標となるマレーシア産型枠用合板(厚さ12ミリ)の提示価格は、6月の成約価格に比べ30ドル前後(約6%)高い1立方メートルあたり490~500ドル(C&F=運賃込み)。値上げ表明は2カ月連続となる。

現地の合板メーカーは日本の商社に「値上げ分の25ドル程度は伐採増税分の転嫁」と説明。必要量の確保を優先する日本側は、提示額通りの値上げを受け入れる意向を固めている。

サラワク州は「ティンバープレミアム」(TP)と呼ばれる原木伐採税の一部を現行の1立方メートルあたり0.2~0.7ドルから7月以降、一律約12ドルに引き上げる方針だ。合板換算では24ドル前後の課税になる。

国内の卸価格にも波及するとの見方が広がってきた。南洋材のコンクリート型枠用合板(12ミリ)の問屋卸価格は現在、1枚1290~1310円。前月と同値にとどまっている一方で「流通市場では輸入価格の上昇を意識して安値取引が減り、一部で駆け込み需要も出始めている」(建材問屋)。