日欧経済連携協定(EPA)交渉で、政府は欧州連合(EU)産木材にかけている関税を全てなくす方向で調整に入った。一部の品目は撤廃に至る期間を長くし、国内の林業への影響を抑える。
日本が課す木材の関税率はほとんどが1桁台。国内への影響が限られる木材は早期に撤廃するが、木造住宅の柱や梁(はり)に使う「構造用集成材」(3.9%)などは猶予期間を求める。
北欧やオーストリアの木材は高い国際競争力を持つ。日本の木材自給率は約3割。輸入国・地域のシェアをみると、構造用集成材はEUが約9割を占める。政府は将来的な関税撤廃を約束しつつ、国内の林業の競争力を高める助成措置も検討する。
環太平洋経済連携協定(TPP)で木材は合板など一部で緊急輸入制限措置(セーフガード)を設けたが、最長16年目までに全品目の関税撤廃で合意した。