北米産丸太、対日価格3カ月ぶり上昇
北米産丸太、対日価格3カ月ぶり上昇 2月積み、米住宅需要好調
2017/2/8 22:42日本経済新聞 電子版
主に住宅の梁(はり)に使う北米産丸太の対日輸出価格が3カ月ぶりに上昇した。指標となる米松丸太(IS級、直径30センチ以上)の2月積みは、前月比1%高の千スクリブナー(約5.4立方メートル)あたり860ドル前後(FAS=船側渡し)。2年ぶりの高値水準だ。米国の住宅着工が好調なうえ、産地の積雪で出材が滞り、輸出余力が低下したのが影響した。
米国では戸建て住宅向けに木材需要が増えている。米国の2016年12月の住宅の新規着工件数は季節調整済み・年率換算で前年同月比3.9%増と4カ月連続で増加した。丸太産地の米北西部で降雪が多かったため「伐採は進んでいるが、山から丸太を搬出できない」(大手商社)。
需給の引き締まりから産地の木材会社は米国市場への出荷を優先し、日本の商社などに値上げを求めた。日本でも貸家を中心に木造住宅向け需要が増えており、値上げを受け入れた。米材を原材料に使う製材会社の採算悪化要因となりそうだ。