JAS機械等級区分構造用芯去平角材
SSD球磨杉 J ビーム
丸太状熱処理併用中温域複合乾燥法(当方新規開発技術)を用いた杉芯去り平角材
JAS機械等級区分構造用製材機械にて供給
製品概要
- 丸太状熱処理併用複合乾燥法を用いた杉芯去り平角製材
- JAS機械等級区分構造用製材規格:E70以上・SD20以下を基本性能として品質保証供
- 適応寸法:下記リスト参照。表記以外のサイズに関しては受注生産にて対応
製品特徴
- 芯去り製材効用として、平角材の高強化を実現
- 同じく、芯去り製材効用としての節•干割れ抑制の高意匠性能を発揮
- 需要薄の丸太大径部位(根元近くの元玉)を芯去り製材にて有効活用することで、相場に左右されない安定価格と、一般的KD材と遜色ない価格にて有意なコストパフォーマンスを実現
- 丸太熱処理及び仕上げ乾燥の熱源をバイオマス:場内発生端材•木屑を燃料として活用した圧倒的低炭素製造法にて製造される。
SSD球磨杉Jビーム
人工林の高林齢化に伴う樹木大径化により、今後、大径丸太の有効活用が林業・木材産業の課題の一つとなります。樹木成長が早い故に、既にこの問題に直面している南九州において、対策の一として開発したのがSSD球磨杉Jビームです。
40㌢を超える大径杉丸太から、平角材を高効率2丁取り(芯去り製材)した上、端材も乾燥を施した付加価値建材に仕上げて、最大限の有効活用を図るために「丸太状熱処理複合乾燥法」をバイオマスにて開発・確立させました。この芯去り平角材を「低炭素製法のJAS機械等級区分構造用製材」として供給します。
芯去り製材法には、平角材における高強度化の効用があり、杉に梁桁等の構造用平角製材への需要を開拓出来たと自負しています。また同時に、大径木からの芯去り製材には、干割れ・節抑制の高意匠性能の確保が可能で、そのうえに丸太状熱処理乾燥法では、従来の高温乾燥で発生する変色(色焼け)を防ぐため、それらの結果として「JAS規格に基づき強度等の品質を明確に保証する美しい製材製品」に仕上がりました。
SSD球磨杉Jビームは、JAS機械等級区分構造用製材規格にて、部材の一本毎に、強度等の品質を測定・表示・保証するために、構造計算を必要とする中・大型規模案件にも、無垢の構造用材ながら、明確な根拠に基づく対応が可能です。
SSD球磨杉Jビームの活用事例:福祉施設 ▷コチラを御参照
高効率芯去り製材を可能にした丸太状熱処理
熱処理が、木材の反り曲がりの原因となる内部応力を緩和させる事は、木材物理の常識です。この処理を丸太の状態で施し、予め応力を解いておく事で、高効率な芯去り2丁取り製材が可能になります。併せて、製材時に発生する端材も同時に熱処理されているため、自動的に乾燥材となり、一本の丸太からの最大限有効活用が叶います。
しかし、これまでは、直径40㌢を超える大径丸太の芯部に至るまでを、必要十分且つ安定的に、熱処理できる装置は存在しませんでした。熱処理を施さない丸太から芯去り製材を行っても、右写真のように、途端に反りが発生するため、芯去り製材が一般的且つ現実的な製材法にはなっていませんでした。
対して私どもは、燻煙ガスを熱媒体に用いて竹炭製造を行う機械及び技術を転用して、大径丸太の熱処理を実現しました。それがSSD燻煙ガス熱処理炉であり、熊本県林業研究指導所の性能評価試験で実証された新規開発技術です。
SSD丸太状熱処理:処理炉性能評価試験 ▷詳しくはコチラから
これにより、杉平角材の2丁取り芯去り製材品の、その効用による高歩留まりの安定的品質確保に伴い、JAS機械等級区分構造用製材規格の商品化を成し遂げました。
芯去り製材効用 その1 平角材における高強度化
左上の模式図は丸太の断面を示しています。この図で青く示されている芯部が丸太における強度の最弱部位で、グラデーションと共に強度が高まり、外周の赤い部分が最強度部位です。その対比は3対1程度とされています。
この模式図に芯持ち製材と芯去り製材をはめ込んで比較したのが左下です。芯持ち製材には高強度部位が上下に僅かにしか無く、しかもそれらが分かれて存在しています。対して、芯去り製材は平角製材における高強度部位の占める割合が芯持ち製材に比べて多いうえ、上下に連続しています。
これまでのSSDの計測実績では、概ねJAS規格におけるヤング係数が1ランク向上し、杉材であっても安心して梁桁材として使用できます。そのうえ、製品のJAS規格選別時の高歩留まりにも寄与しています。
SSD球磨杉Jビームは、JAS規格におけるE-70以上を基本として、提供いたします。
芯去り製材効用 その2 干割れ・節の抑制による高意匠性能
左写真の従来品に見られる干割れは、基本的に木材強度に与える影響は少ない物の、見苦しいうえに、仕口部分等で発生した場合には、接合耐力に影響を及ぼします。
この干割れは、乾燥収縮に伴い、連続した繊維(年輪)が破断する事により発生します。それ故に、芯部に向かって割れるのが常ですが、酷い場合には、写真(従来品)のように、両側から芯部に向かって割れて、結果的に表から裏を貫通する割れになります。
JASにおける目視等級区分では、一定の干割れについては許容するものの、貫通割れなど限度を超えた物は除外の対象となり、製品歩留り率を低下させ、製造原価に反映されます。
対して、左図のように、芯去り製材には破断すべき連続した繊維:年輪が存在しません。従って、軽微な表面割れなどの発生はあるものの、干割れの発生は抑制されて、乾燥収縮は部材の寸法縮みで終結します。
加えて、大径丸太の辺材部分には節が存在しません。これまで、無節の化粧用板材や建具等の柾目材を採取していた部位でが、人工林の大径化が進む中、それらの需要のみでは明らかに供給過多に陥ります。ここから芯去り平角製材を採取すれば、化粧用材にも対応可能な平角製材になり、新たな需要が生み出されます。
安全・安心且つ美しい構造用平角製材:SSD球磨杉Jビーム
丸太状熱処理は100度以下の中温域での処理を基本としているため、一般的乾燥法である高温式蒸気乾燥法に見られる変色も抑えられ、木材本来の色艶が発揮されます。これに上述の干割れ・節の抑制が加わって、上の写真のように美しい構造用平角材となります。しかも、それはJAS機械等級区分規格に沿って、一本毎に、強度等の品質が保証され、安全・安心に直結する製材商品です。
SSD球磨杉Jビームは、需要薄大径丸太の高歩留まり有効活用、乾燥時エネルギーのバイオマスによる経済的負担軽減、一気通貫の供給体制構築などを理由として、JAS規格に基づく選別部材ながらも、一般的な杉KD材と遜色ない価格での御提供を可能にした製材商品です。
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