針葉樹合板一段高、住宅向け上向く 在庫は低水準
住宅の壁や床に使う国産針葉樹合板が2カ月ぶりに値上がりした。8月中旬時点の東京の卸価格は指標品(12ミリ厚、構造用)が前月比10円(1%)高の1枚940~960円。木造住宅着工が好調で引き合いが強く、在庫も低水準だ。
卸価格は1年9カ月ぶりの高値圏。消費増税前の駆け込み需要で2014年2月につけた高値に迫る。
需要が堅調な中、4月に発生した秋田プライウッド(秋田市)の工場火災の影響もあり、3カ月連続で出荷が生産を上回っている。「昨年の8月には注文から2週間で届いていた商品が、今では1カ月かかる」(都内の木材商社)という声もある。
6月末の針葉樹合板の在庫量は前年同月比53%減の10万9222立方メートルと、12カ月連続で適正水準とされる1カ月分の生産量を下回った。7月の後半から8月の中旬にかけて合板メーカー各社の設備の定期修理があったこともあり、7月以降も低水準の在庫が続くとみられる。
大手合板メーカーでは問屋からの注文が前年の同じ時期と比べて2割増のペースで伸びている。納期に時間がかかることもあり、必要量以上に製品を確保する動きが一部にある。