スギ平角製材(無垢材)によるLSBを用いた門型ラーメンフレーム

規模の大きな建物やインナーガレージ等の大きな空間を設ける、或は店舗等で大きな開口部が必要な場合などに、木造建築において構造上重要な役割を持つ耐力壁が確保できない場合が多々あります。このような場合に門型ラーメンフレームを活用することが解決策の一つとなります。

門型ラーメンフレームとは大型の柱(扁平柱)と梁を鳥居型(門型)に組んで、その中の空間にあたかも耐力壁が存在するかのごとき耐力(強度)を確保する工法です。当然、柱と梁の接合部には強大な接合耐力が要求されます。この部分に専用金物を使用することが一般的で、各メーカーからは集成材使用を条件とした各種商品が提供されております。

SSDプロジェクトでは杉無垢のJASに基づく品質表示部材と金物を公的試験機関(熊本県林業研究指導所)に持ち込み、せん断試験等を行って公的データを取得しました。公的に使用可能な杉無垢材で構成される門型ラーメンフレームは、現在のところ他所に見当たりません。重ねて申し上げますが、使用する部材がグレーディングにより規定以上の品質を確認・保証されていることが必要です。加えて、門型ラーメンフレームを使用する場合には構造解析により建物の明確な構造耐力を示すことも必要になります。

当方が杉無垢材の門型ラーメンフレーム実現のために選定した専用金物は、京都大学生存圏研究所の小松幸平元教授が発明し、㈱グランドワークス社が商品化・供給するラグスクリューボルト(LSB)を使用した接合金物です。この門型ラーメンフレームを活用して、インナーガレージを設けた3階建て住宅や、1階に店舗スペースを設置した建物などへの対応の実績を重ねています。

 

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当該試験に関する資料:2間の開口に倍率1.5倍の耐力壁が4枚並ぶと解釈される。

SSD 杉LSB門型ラーメンフレーム施行の様子:大阪木材団地飲食施設於

梁桁側金物

柱側金物

注脚部金物

セッティングの様子

敷設完了