HS金物接合工法と在来木造軸組みの併用工法(ハイブリット工法)
近年、木造軸組み工法において、接合部に専用金物を用いた工法が開発され、多種多様のメーカーから提供されるようになりました。この接合金物工法は確実な接合耐力性能が確保されることや部材への接合用加工(仕口)に伴う断面欠損を防ぐ等の利点がありますが、その殆どが集成材を使用することを前提として開発された技術であります。厳密に言えば、無垢材には使用することの出来ない技術でした。提供するメーカーの立場からすれば品質が不均一・不明確な無垢材に使用することで本来の接合耐力が得られない可能性があり、使用した場合の結果に責任が持てないとの見解です。
この金物工法の特に有意な点(通し柱と桁の接合における柱の断面欠損の回避等)を無垢材の建築にも取り入れることに意義を感じて、複数のメーカーの金物を試験機関に持ち込み、比較試験(せん断試験)を行い、最も成績の優れていたのがHS金物でした。この金物のメーカーである㈱グランドワークス社においても従来は集成材への採用を前提としていましたが、グレーディング材の均一な品質性能を理解頂き、公的試験機関(熊本県林業研究指導所)にて正式な試験を行った上で公的データを取得して、無垢材への金物接合工法の採用が可能になりました。国産無垢材(杉、桧等)に使用可能な金物は現在の所、恐らくこのHS金物が唯一であると推測されます。
ただし、この金物を無垢材に採用する場合にはその品質が一定の基準(E-50、D-20)以上であることが確認・保証されているJAS機械等級区分規格材であることが必須条件となります。
SSDプロジェクトでは、このHS金物を公的試験データに基づいて、特に使用が有意である部分(柱脚・柱頭部分、通し柱と横架材の結合部分等)に採用した金物工法と在来軸組み工法の併用工法(通称:ハイブリット工法)を推薦しており、当方での採用実績は既に100棟を超えています。
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SSD技術
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