SSD球磨杉の異なる芯去り製材手法における薬液注入性能の比較試験

試験名称

SSD球磨杉の不燃内装用製材商品試作開発にかかる薬液注入性能評価試験

試験報告実施日時

2020年3月24日

試験実施の目的

1 不燃内装用製材商品開発の有意性

  • 公共建築を含む施設等の木造化・木質化促進の方針が進む中、杉等の国産製材品を内装用化粧材に採用する際には、公に定められた基準の防火性能(不燃・準不燃・難燃等)を満たしておくことが必要。
  • 化粧材として優れた意匠性と価格的優位性を誇るSSD球磨杉(大径材活用材)に、上記の防火性能を付加して施設等への採用を可能にする商品開発は、当該製材品の新規需要先開拓に直結する。

2 不燃内装材等の薬液注入型製造法へのSSD球磨杉の親和性の確認

  • 大径材から採取される芯去り化粧材を中温域乾燥にて反り曲がり要因の内部応力を緩和した状態での薬液の加圧注入は、その特性から、これまでの一般的製造法に比べて合理的・効率的製造が見込める。
  • 上記の薬液加圧注入材は不燃材、防腐処理材、ケボニー材等々を指している。中でも注入が最も困難な不燃用薬液の注入試験を実施することで、これら広範囲な加圧注入材へのSSD球磨杉の親和性の提示が可能となる。
  • 今回の試験をはじめとして、上記の合理性の明確なエビデンスを確保して提示する事は、当該製品を原材料として木材加工メーカー等へ供給する事業の営業面における圧倒的優位性を有することとなる。

3 現状の加圧注入材が抱える課題と、対するSSD球磨杉の効用確認の目論見

  • 現状、一般的に流通している不燃薬液加圧注入材は、その注入の困難さと、注入後の乾燥時の反り曲がり干割れの発生等の要因から、品質的歩留率が低く、結果、高価な製品となっている。
  • 加圧注入の処理前に予め内部応力を緩和した当方の製品における反り曲がり等の抑制効果が、製品の歩留り率向上に寄与する事は既に想定済み。
  • 今回は当該製品の芯去り製材の手法を工夫することで、薬液の注入精度が向上することを確認し、その好品質のエビデンスを確保することを目論む。
  • 芯去り製材の手法とは、外側定規と中心定規の2手法を指し、中温域乾燥にて導管等の細胞が健全な状態の当該乾燥製材において、より多くの導管木口を側面に露出する中心定規製材手法の、薬液注入性能の優位性を確認するものである。

試験概要報告