老朽ブロックの撤去広がる 「木の塀」 普及へ支援 林野庁 国産の需要開拓
日本農業新聞 2019年02月27日
林野庁は、住宅や公共施設で「木の塀」の普及に乗り出す。昨年6月の大阪北部地震でブロック塀が崩壊し、人的被害が出たことを受け、老朽化した塀を更新する動きが各地で拡大。塀の材料にコンクリートブロックではなく、木材を使う事業者を支援するなどして、国産木材の新たな需要開拓を狙う。
大阪北部地震後、老朽化したブロック塀を撤去し、公共施設で県産木材を使った塀へ切り替える動きが複数の県で始まっている。一部の都立高校では、木の塀の設計段階に入っているという。
こうした中、同庁は、国産材の利用拡大に向けて、コンクリートブロックに代わる建築材の需要に着目。2018年度第2次補正予算案に「木材製品の消費拡大対策」の一部で、木の塀をはじめ住宅や建物の外構部の木材利用を後押しする財源として約15億円を計上した。
民間団体を通じて、工務店など施工業者を助成する。助成額は、素材や使用量、加工方法などによって決める。木の塀を普及するに当たって課題となる雨風などによる腐食や耐久性、施工経費などについて、助成を受けた施工業者から成果や課題を調査。手引きをまとめる考えだ。
同庁は「今回の支援を契機に木の塀を取り入れる業者を増やしたい」(木材利用課)と展望する。