林業大学校が来春開校 熊本県、担い手確保へ:西日本新聞

2018/10/10付 西日本新聞朝刊

木材の需要拡大や林業の担い手不足の対策として、熊本県は来年4月、新規就業者や経営者を育成する「くまもと林業大学校」を開校する。林業関連の研修が多数あり、就業希望者に分かりにくいため、研修の受け入れ窓口を一元化。専門知識を学ぶ講座と実習内容を充実させ、担い手確保を目指す。年内にも受講生の募集を始める。

近年、再生可能エネルギーの木質バイオマス発電の広がりや、製材品の輸出量の増加などで木材需要が拡大。一方で、林業の就業者数は全国的に減少傾向にあり、県によると、県内では毎年80人程度という。

大学校は、県と公益財団法人「県林業従事者育成基金」などが運営。受講料は無料。研修は、対象者別に(1)林業に関心のある人(6~15日)(2)所有する山林で伐採から出荷まで行う自伐林家(5~18日)(3)新規就業希望者や林業経営者(5~200日)-という3コースを用意。座学の拠点として、県北地域は県林業技術研修センター(熊本市中央区)を、県南地域は五木村役場などを活用する。

県内での就業を希望する18~50歳が200日間学ぶコースでは、県独自で受講生に毎月12万5千円助成する「就業給付金制度」を創設する。チェーンソーの操作法や作業車両の運転技術のほか、GPSやドローンを使った森林調査の方法などを教え、即戦力の育成を目指す。研修を修了すると、小型クレーンの運転や救命など11種類の免許や資格を取得できる。

県林業振興課は「魅力ある林業の担い手と、経営ビジョンを持った受け入れ先の企業経営者を育てていきたい」と話している。