2012.03.16 躯体工事:建て方 2 グレーディング
構造躯体に用いる製材(構造部材用無垢材)は、建築基準法でE-50(ヤング係数:木材の総体的強度の判断基準単位)以上である事が定められています。ただし、殆どの場合は、実測を行っていませんから、使用する樹種で想定しているにすぎません。
当該建物で使用している製材品は、一本毎に強度と含水率を測定した上で、その結果を部材自体に印字しています。(下写真参照)このロットナンバー1103010711番の杉の梁桁材はE-70 D-20の表示から、強度を示すヤング係数が70、含水率が20%以下である事が判ります。
当該建物で使用している製材品は、一本毎に強度と含水率を測定した上で、その結果を部材自体に印字しています。(下写真参照)このロットナンバー1103010711番の杉の梁桁材はE-70 D-20の表示から、強度を示すヤング係数が70、含水率が20%以下である事が判ります。
当該建物は、構造計算時に杉製材の強度をE-50に設定して計算しています。計算結果が導き出す部材寸法は、この設定強度(E-50)に由来する寸法ですが、実際にはより高い強度を示す部材を選別して使用しています。下の写真では、必要強度E-50に対して、倍以上の強度(E-110)を持つ柱が使用されている事が確認できます。このように、グレーディング材と構造計算を併用する事で、幾重にも建物強度の確保が可能である事を御理解下さい。