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2012年04月26日
調達価格算定委、買取価格の委員長案示す
 

4月25日、第6回の調達価格等算定委員会が開催され、全量買取制度の買取価格・期間の決定へ向けた報告書の基礎となる「調達価格等算定委員会意見書作成にあたっての合意事項」(案)が取りまとめられた。その後に行われた記者会見で、買取区分・買取価格・買取期間についての委員長案が示された。その内容は次の通り。

調達価格等算定委員会の植田和弘委員長(京都大学)は、会見で「内容として十分に合意が取れてきている。今回の価格は試案としての提示だ。委員会としてはさらに内容を検討し、今後報告書としてとりまとめる」と今回の価格案について説明。報告書取りまとめの委員会は4月27日(金)に開催。買取価格の正式な決定はその後、経産大臣への提出を経て、政省令としてパブリックコメントに付され、正式な決定は5月末~6月までずれ込む見通し。

委員長案での買取価格は、太陽光発電で見ても、20年・42円(消費税含む価格)とやや高めに見える。このことについては、「価格は一貫してヒアリングを通した費用を積算し、IRRで事業リスクを発電ごとに個別で見る考え方で決定し、諸外国との比較を行っている。高くもなく低くもなく、施行後3年間は例外的に利潤を高める、という意図を反映した価格」(植田委員長)とした。

なお、二年度目以降の買取価格の算定のために、制度の適用を受けた場合は設備のコストデータを提供することを条件としている。「事業者が実際に導入していくことでデータを重視し、来年度以降の価格設定に反映させる。データは半年を念頭にまとめ、必要であれば価格の見直しも考える」(植田委員長)。

蓄電池への考慮については、「蓄電池の再生可能エネルギーへの貢献度を念頭に置いて加味するかどうかだが、実態としてどの程度貢献しているのか、夜間電力を担保している機能だけではないのかという面もあり、判断できるデータがないため、従来通り蓄電池を買取価格に特別考慮しない結論となった」(植田委員長)。

また、全量買取には進行管理が非常に重要であること。大きな政策目的として、普及のためにより強化が必要だということになれば、そのことを理由にした価格見直しもありうることが意見として示された。

2012.04.25  環境ビジネス 掲載記事転載