県内で伐採された木材のうち、県が独自に定める規格「ぎふ性能表示材」の認証を受けて今年度に出荷された木材は約1万立方メートルに上り、前年度の10倍となる見通しであることがわかった。県は、この規格の認証を受けた木材の出荷量を2016年度に5万立方メートルとする目標を掲げており、県産材流通課は「品質確かな県産材をブランド化することで出荷量を伸ばしたい」としている。(福島利之)
この認証制度は10年度、県産材のブランド向上や需要拡大を図る目的で始まった。日本農林規格(JAS)に準じて設定した木材の乾燥具合や曲げた際の強度などの基準を満たした柱や梁(はり)に対し、県森林組合連合会内に設けられた「ぎふ性能表示材認証センター」が認証する仕組みだ。
昨年度は約1000立方メートルの木材が認証を受けた。今年度に認定を受けた1万立方メートルは、一般的な民家に換算すると500棟分に相当する。JASでの手続きと比べ、認証費用が安価で手続きも煩雑でないため、同課は「中小企業や多くの製材所にとって利用しやすい制度」としている。
ただ、県産材全体の生産量は、外国からの安価な木材の流入や担い手不足などで1985年度の106万立方メートルから減少し、08年度には29万立方メートルに落ち込んだ。その後は県産材の売り込み強化で微増の傾向にある。
県は今年度、住宅展示場などで県産材を使った住宅をアピール。新年度は県産材を使った家づくりの勉強会を工務店と共同開催するほか、県産材で作られた積み木などのおもちゃを幼稚園などが購入する場合、5万円を上限に半額補助するなどして出荷量の増加を目指す。
県産材流通課は「県産材の生産量を増加させ、荒れた森林の整備や林業の活性化につなげたい」としている。
2012.02.10 YOMIURI ONLINE 転載